サッカー界の裏側では時に想像もつかない事件が起こるものだ。イギリスのThe Sun紙が報じたところによると、マンチェスター・シティからACミランへと華々しく移籍を決めたカイル・ウォーカーの代理人が、まさかのドラッグ捜査の中心人物として浮上している。
問題の男はマイケル・ランキン(40歳)。元プロサッカー選手で、現在はロンドンのスポーツマネジメント会社「CAA Base」に所属するコンサルタントとして、多くのトッププレイヤーを手がける。そんな彼が、イタリアでのウォーカーの移籍成立を祝ったわずか48時間後に警察の家宅捜索を受けたというのだから驚きだ。
華々しいミラン移籍の裏で…わずか2日後の転落
報道によると、ランキンはウォーカーと共にプライベートジェットでミラノへ向かい、契約締結を見届けた。移籍発表の場でウォーカーの隣に立ち、満面の笑みを浮かべていたランキンの姿を覚えている人も多いだろう。
しかし、そのわずか2日後、彼の自宅が警察によって捜索され、90株以上の大麻が発見されたという。その市場価値は約75,000ポンド(約1,400万円)とも推測され、さらに栽培に必要な設備まで押収されたとのことだ。
警察の関係者によれば、「まさに驚愕の展開だ。イタリアでの勝利の余韻に浸る間もなく、自宅が警察に踏み込まれることになるとは誰も予想していなかった」とのこと。まさに天国から地獄とはこのことだろう。
「成功者」の裏に潜む影—CAA Baseの評判にもダメージ?
ランキンが所属するCAA Baseは、トッテナムのソン・フンミンやジェームズ・マディソン、さらには監督のアンジェ・ポステコグルーなど、名だたるスター選手を抱える大手代理人会社だ。当然ながら、今回の事件は同社の評判にも影響を与える可能性がある。
ランキンの叔父であり、カイル・ウォーカーの本来の代理人であるマーク・ランキンもCAA Baseの一員だ。マークはチェルシーのコール・パーマーやニューカッスルのキーラン・トリッピアーといったイングランド代表経験者も担当しており、彼の信用にも傷がつく可能性がある。
サッカー界の裏社会—代理人の「影の顔」
サッカー選手の代理人といえば、選手の移籍交渉やスポンサー契約をまとめるクリーンな仕事に見えるかもしれない。しかし、実際には代理人業界にはさまざまなグレーなビジネスが存在すると噂されてきた。
例えば、一部の代理人は選手の移籍金や契約ボーナスを不正に操作し、裏で多額の金銭を受け取るケースがある。また、選手の若手時代に過剰なローンを組ませたり、金融スキャンダルに巻き込んだりする例も後を絶たない。今回の事件も、そんな**「裏の顔」**が露呈した一例なのかもしれない。
ウォーカーへの影響は?ACミラン移籍に影を落とす可能性
では、この事件がウォーカー自身に与える影響はどうだろうか?
ウォーカーは現在、ACミランへのローン移籍中であり、夏には400万ポンド(約7.5億円)での完全移籍が見込まれている。一見すると、代理人の不祥事は彼のキャリアには無関係にも思える。
しかし、代理人は選手の契約交渉において極めて重要な役割を果たす存在であり、その信用が揺らげば、クラブ側が契約の見直しや再交渉を求める可能性もある。また、ランキンがCAA Baseの内部でどれほどの影響力を持っていたかによっては、他の選手への影響も出てくるかもしれない。