チェルシー下部組織出身のディフェンダー、トレヴォ・チャロバーが再び脚光を浴びている。2024/25シーズン冬、クリスタル・パレスへのローンから復帰した26歳のセンターバックは、復帰直後から大きな存在感を発揮。チームの堅守を支え、シーズン終盤の快進撃に貢献した。
チェルシーはプレミアリーグ4位に滑り込み、UEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得。さらにUEFAカンファレンスリーグとFIFAクラブワールドカップを制するなど、クラブにとって忘れがたいシーズンとなった。その立役者の一人がチャロバーだったことは間違いない。
マレスカ監督の評価
エンツォ・マレスカ監督も、チャロバーの貢献度を高く評価している。
「彼が1月に戻ってきてから、本当に素晴らしいプレーを見せている。昨季、我々が成し遂げたことの理由の一つはトレヴォにある。クラブワールドカップのPSGとの決勝でも最高のパフォーマンスだった。今も非常に良い状態で、我々は彼に満足している」と監督は語った。
この言葉からも分かるように、マレスカ監督にとってチャロバーは「計算できる守備の柱」となっている。今季も開幕から3試合連続で先発し、うち2試合でクリーンシートを達成。安定感を増した守備はチーム全体の信頼につながっている。
選手の成長曲線
チャロバーは長年「将来性のある選手」と言われ続けてきたが、近年はローン移籍が続き、クラブ内での立場が不安定だった。だが、昨季の復帰以降は完全に信頼を勝ち取り、今では「経験豊富なディフェンスリーダー」としての役割を担いつつある。
また、チェルシーは若手育成と補強のバランスを模索している段階にあるが、チャロバーの存在は「アカデミー出身選手がトップレベルで成功できる」という象徴的なケースとしても注目されている。
今後の展望
今季のチェルシーにとって、国内外での戦いは厳しさを増す一方だ。チャンピオンズリーグでは欧州の強豪と対戦することになり、プレミアリーグでもトップ4争いは激化している。そんな中で、チャロバーの安定した守備とリーダーシップは不可欠な要素となるだろう。
マレスカ監督が口にした「昨季の成功の理由の一つ」という評価は、単なる称賛に留まらず、クラブがこれから築いていくチーム作りの方向性を示しているのかもしれない。